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俺の運命の相手が、男だった件について。

第4章 気持ち悪過ぎるアイツの件について。

「フフン…き・い・た・わ・よ☆」

そこで、さっきから俺をニコニコして見つめていた母さんが、やっとのことで口を開く。

ジーっとこっちを見てたから、いつ話すんだ?って思ってはいたけど…

キラキラと輝いた瞳と共に向けられたであろう言葉の意味が解らない。

「聞いたって……何を?」

言っておくが、俺は男だ。

勿論、俺の母親なんだから、母さんもそんな事は承知のうえ。

…だと言うのに…何を聞いたというんだろうか。

眉間にどんどん深く刻まれていく皺。

寝起きの俺には難しすぎる問題だ。

「あらあらあら☆朔ったら、難しい顔しちゃって!
…お姉ちゃんから聞いたのよ!
朔にも好きな人ができたって!だからこれはその細やかな御祝い!」

「……はあぁあぁぁ!?」

な、何をどうしたらそんな話に!?

「まぁ、照れちゃって☆」

「照れてねーよ!照れる要素がねーよ!」

俺が必死に叫んだ所で、母さんに伝わる訳がなく、「ンフっ」と笑みを溢すだけだった。

そーなれば自然に姉の方へ意識がいく。

一体、俺が誰を好きになったって言ったんだ?

…十中八九アイツだろうが…
あー、考えただけで気持ち悪い。

精一杯の恨みを込めて睨んでやるが、姉はまったくこっちを見ようとしない。

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