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俺の運命の相手が、男だった件について。

第1章 ありえない運命だった件について。

「ほぇ~…中は割と立派だな!」

"ご自由にお入り下さい"と書かれた張り紙のすぐ横の大きな扉を開けて、中を見渡しながら玲は言った。

「…だな」

思ったより広い空間には、アンティークっぽい家具。

天井には、シャンデリアなんて立派なものまでぶら下がっていて、室内を明るく照らしている。

まだ外は明るいってのに、カーテン閉めてんのかよ…。

これも雰囲気作りのためか?と少々不気味に思った。

「靴は脱がなくていいって書いてるし…
行ってみるか!」

先ほどと同じように張り紙に書かれた文を読み上げて、先を促す玲。

その玲の目には、キラキラとした期待と好奇心が滲み出ている。

「…はぁ」

何となく疲れてきた俺は、無意識に溜め息をはいた。

─ギシ…ギシ…

立派な見た目とは逆に、何故か歩くとギシギシいう廊下に不安が募る。

ホントに大丈夫なのかよ…

だいたいこんな胡散臭いとこ、来ても良かったのか?

そりゃ、最近面白い事無かったからって、つい来ちまったけど…

「あっ、ここだ!」

「ぅえ!?」

今更ながら躊躇っている間に、どうやら目的の部屋についてしまったらしい。

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