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俺の運命の相手が、男だった件について。

第4章 気持ち悪過ぎるアイツの件について。

「ぅえ!?まぢかよっ」

遅刻なんてしたらまたアイツに…っ

ケータイを見て言う玲の切羽詰まった声に俺も焦って走り出す。

「朔っ、おいてくなよーっ」

後ろからそんな声が聞こえたが、待ってやる余裕なんて(アイツのせいで)俺にはなかった─

──

「はぁはぁっ…はぁーー」

良かった…間に合った…。

中学ではバスケをしていたものの、高校ではこの身長じゃやってけないだろーな…と思い帰宅部だった。

そんなに好きでも無かったし、暇潰し程度だから必要でも無い…

って思ってたけど、こんだけしか走ってないのに息が切れるなんて。

中学の頃じゃ想像もできなかった。

体力面で、バスケというのは随分役にたっていたようだ。

「おはようございます。…海津くん。………残念ながら、遅刻です」

「…は?」

─キーンコーンカーンコーン

壁に手をついて呼吸を整えていると、後ろからアイツの声が聞こえた。

朝からなんでお前に話かけられなくてはいけないんだ。

"遅刻"じゃねーだろ。と、顔をしかめて後ろを向いた直後…

高々と鳴り響いた鐘。

「…ほら…ね?」

それを聞いて、柊はニッコリ微笑んだ。

「………あ」

今…思い出した。

この学校の校則では、鐘がなるまえに着席しなければ遅刻になる。

…つまり、だ。

現時点で教室の入り口で息を整えていた俺は…遅刻…と言うことになるのか…?

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