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俺の運命の相手が、男だった件について。

第1章 ありえない運命だった件について。

「じゃ、じゃぁ…タロット?の方で…」

「かしこまりました。」

女の人は、タロットと呼ばれたカード?みたいなものを机に一枚一枚置いていく。

俺にはまったく意味が解らないが、玲の高まっていく緊張が背中から伝わってくる気がした。

─カサ…

「…でましたわ」

程なくして、カードを捲った女の人はポツリと言葉を漏らす。

その言葉から察するに、どうやら玲の恋占いの結果はでたらしい。

ゴクリ──

玲は唾を飲み込む。

俺もつられて、唾を飲み込んだ。

「…あなたは」

ゆっくりと開かれた口から、穏やかな落ち着く声が発せられる。

「あなたは今、恋をしてますね?」

「えっ!?」

思わず声を出してしまったのは、俺だった。

バッと玲の顔を見る。

唖然とした表情から、本当の事なんだ…と推測できた。

「まぢかよ…」

だって…知らなかった。

玲とは大分長い付き合いで、お互いの事なら大体解っていた。

でも、好きな奴がいるなんて夢にも思わなかった。

「なんで…解って……」

玲は"問う"と言うよりも、"呟く"に近い感じで言葉を漏らす。

「占いにでてましたから」

ニコッと笑いながら淡々と、相変わらず穏やかに女の人は言う。

すげー……

ただ、素直にこう思った。

俺ですら解らなかった事を、今日、初めてあったこの人が解る筈がないのだ。

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