カレコイ
第1章 出会い
ドサッ!
「イタッ!」
願いが通じたのか、
ギリギリのところで男の子をつかむことに成功。
階段の下に落ちることはなかった。
その代わり男の子を抱えたまま勢いで私は後ろに倒れた。
「ナミ!!大丈夫?!」
「う、イタタタ。
なん、とか。
それより、僕は?大丈夫?!」
バッと彼を見る。
よかった。見たところ血も出てない。
「僕は大丈夫だよ?!でも、
ナミおねぇちゃん.....血が.....」
ふ、と男の子の目線を追うと、
あ、ほんとだ。
左腕から血が出てる。コート、切れてるし。
どうやら階段脇のゴツゴツした岩のとがったところで切ったようだ。
「大丈夫だよ?そんなにいたくないから。」
麻友は黙ってティッシュで血をふいてくれてる。
「たくや!!!大丈夫か?!!」
「たくやっ!!!」
必死の形相で走ってきたこの二人は
きっとこの子のお父さんとお母さん。
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