永遠(トワ)に愛す ~新たな恋~
第3章 婚約者…
昼過ぎ…
銃口が、ホテルを出て来る美李亜とシンの姿を捕らえていた。
「あのっ…映画観に行き ませんか?」
「いいですね
美李亜様はどんなもの が好きですか?」
「わたしは恋愛ものが― ――」
そう言いかけた時…
どこからともなく飛んできた銃弾が、音もなくシンの胸に命中した。
胸を押さえ、その場に膝をつくシン…
「シンさん?どうし―― っ!?…血がっ…!」
「心配いりません
早くここを離れましょ う」
「キャっ」
いきなり美李亜をお姫様抱っこしたシンは、周りに気づかれないような速さで走り去った。
人並み外れた運動神経でビルの屋上に辿り着いたシンは、美李亜をそっと降ろした。
「シンさんっケガはっ! !」
「大丈夫です
この程度の傷‥すぐに 治ります」
あ…そっか…
シンさんは‥ヴァンパ イアだから‥‥
「まさか撃たれると思っ ていなかったので油断 しました
恐らく雇い主は‥坂野 上さんでしょうか…」
「えっ…!?
坂野上さんがっ!?」
「状況的にですが…
私を殺すつもりみたい なのでまた狙って来る と思います」
「そんなっ…どうしたら っ‥‥」
「私は簡単に死にません が
近くにいる美李亜様に 危害が及ぶかもしれな いので
早く手をうちましょう か…」
「えっ…」
「安心して下さい
乱暴なことはしないの で…」
その頬笑み‥すごく怖 い‥‥
なにをするつもりなの かな…?