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春の風

第9章 回想 side.瑞香


ましてや、色恋に興味すらない僕が、禁忌を犯すなんてほとんどあり得ない。

もちろんそれは。
女に興味すらないといえば間違いだが、僕は無謀なことはしない。
父の妻と、己の義母とどうこうなんて、あるはずもない。けれど彼女は僕の気にするところの対象であることは事実だった。

どころか。
母に似ていると思うとこがある。



『瑞香くん…。』
“ミズカ。“



ほら、やっぱり。
彼女とあの人は、似ている。

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