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身代わり妹

第5章 揺心

「美優…お前…もしかして……」

凌太が何か言いかけた時、


「2人共付き合って!」


ナースステーションに由美さんが飛び込んできた。



由美さんは、私と凌太の手を引いて姉の病室へ入る。


「嫌よ! 凌太と離れたくない!」

凌太の姿を見るなり、姉は凌太に縋りついた。


「凌太さん、婦長さんが急に美姫を大学病院に転院させるとか言い出して……」

母がオロオロと凌太と由美さんの顔を見比べている。


「母さん! 大学病院なんて行かせられない! 美姫はちゃんと俺が診るから!」


前に由美さんが言っていたのは本当だった。

凌太は姉の転院を拒否している。



(そんなにお姉ちゃんが好きなんだ……)


現実を思い知らされる。

プロポーズするくらいだもん…離れたくないに決まってるよね……。




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