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身代わり妹

第5章 揺心

花純ちゃんお気に入りの居酒屋さんで、合コンは開催された。


自己紹介で、

男性5人は相談室の人や薬剤師さんにレントゲン技師さんと、やはり全員秋村病院のスタッフさんだと知った。

女性は私と花純ちゃんと受付で一緒の3人の、5対5の合コンだ。



「瀧川さんて、あの花束男子と付き合ってるの?」

男性陣にそう聞かれる。


奏佑くんの事は、どうやら秋村病院内で知らない人はいないようだ。


「付き合ってる訳ではないです」

そんなたわいもない話をしながら、気付けばカクテルを3杯飲んでいた。



「瀧川さんのお姉さんと凌太先生、恋人同士なんでしょ?」


ドクン

心臓がまた嫌な音を立てた。


不意に、昼休みに姉の部屋で見た光景を思い出す。


”凌太ぁっ”

姉の胸元に顔を埋める凌太。

”ああっ、もっと…もっとぉ…っ‼︎ ”

凌太の頭を抱き締め、甘い声を上げる姉。



「うっ……」

突然の吐き気に、トイレに駆け込み吐いていた。


「大丈夫ですか?」

トイレを出れば、花純ちゃんが慌てた様子で駆け寄る。


「ごめん。久々に飲んだら酔ったみたい」


お酒を飲むなんて、本当に久しぶり。

きっと吐いたのはお酒のせいだ。


姉と…凌太の事で…悲しいからじゃない……。

凌太の事なんか忘れて、新しい恋をするって決めたんだから‼︎


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