身代わり妹
第4章 現実
お正月休みも明け、今朝はとても穏やかな晴天だ。
今日は私にとって特別な日。
だけど、一年で一番寂しい日。
コンコン
姉の病室のドアを開ける。
「お姉ちゃん、お母さん、おはよう」
新しい始まりの日。
俯かないように、作った笑顔を2人に向けて上げた。
バシッ
その顔に投げつけられた洗濯物。
姉はいつものように雑誌を読み、
母はその傍で姉の髪を梳かしていた。
「ママぁ、見てこれ、可愛い!」
雑誌の中のブランド物のコスメポーチを指差し、姉が母に寄り添う。
「あら、素敵ね。凌太さんに買ってもらいなさいよ」
母の言葉に、姉は大きく頷いている。
いつもなら聞き流す言葉も、一つ大人になる今日は言わなきゃいけないと変な正義感が生まれる。
「あの……凌太にはこれ以上迷惑掛けないで……」
消え入りそうになる声。震えながらもどうにか伝えた。
2人に睨まれてるのがわかり、顔を上げられない。
「あんたの稼ぎが悪いからでしょ?」
姉が言う。
「そうよ! まともなお金も貰えずに、美姫ちゃんに何も買ってあげられない私の身にもなってよ!」
母が立ち上がり、怒りに任せて私を突き飛ばした。
今日は私にとって特別な日。
だけど、一年で一番寂しい日。
コンコン
姉の病室のドアを開ける。
「お姉ちゃん、お母さん、おはよう」
新しい始まりの日。
俯かないように、作った笑顔を2人に向けて上げた。
バシッ
その顔に投げつけられた洗濯物。
姉はいつものように雑誌を読み、
母はその傍で姉の髪を梳かしていた。
「ママぁ、見てこれ、可愛い!」
雑誌の中のブランド物のコスメポーチを指差し、姉が母に寄り添う。
「あら、素敵ね。凌太さんに買ってもらいなさいよ」
母の言葉に、姉は大きく頷いている。
いつもなら聞き流す言葉も、一つ大人になる今日は言わなきゃいけないと変な正義感が生まれる。
「あの……凌太にはこれ以上迷惑掛けないで……」
消え入りそうになる声。震えながらもどうにか伝えた。
2人に睨まれてるのがわかり、顔を上げられない。
「あんたの稼ぎが悪いからでしょ?」
姉が言う。
「そうよ! まともなお金も貰えずに、美姫ちゃんに何も買ってあげられない私の身にもなってよ!」
母が立ち上がり、怒りに任せて私を突き飛ばした。