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身代わり妹

第4章 現実

「おはようございます……っと…美優?」

よろけた私を、タイミング良く病室に入ってきた凌太が支える。


「凌太ぁ! 美優ってば酷いんだよ! 自分の稼ぎの悪さを棚に上げて、凌太に迷惑掛けるななんて言うの!」

甘えた姉の声に、凌太は私の身体を離し、姉の方へ歩いて行く。


「…迷惑って……?」

「これ! 可愛いでしょ? 美姫のためにあるみたいじゃない?」

凌太の腕に自分の腕を絡め、先程のコスメポーチを指差す姉。


「ごめんなさいね、凌太さん。私が買って上げられたらいいだけど、美優の稼ぐお金じゃ全然足りなくて!

本当に…あんな何の役にも立たない子、産むんじゃなかったわ‼︎」


「─────…っ‼︎」


何で…その言葉…

今日だけは聞きたくなかった……‼︎


涙目で3人を見上げれば、

姉と母は楽しそうに雑誌を見ていて、

姉の横に立つ凌太の視線とぶつかった。


切なげに揺れる凌太の瞳。

耐えきれず、私はそっと姉の病室を出た。



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