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身代わり妹

第4章 現実

呼吸が乱れる。

胸が苦しい。


目の前の優しい手に縋りたい。

でも……っ


─────この手はお姉ちゃんのもの…。



「私のっ…発作なんか…放っておけば⁉︎

はぁっ…はぁっ…発作なんかじゃっ、死なっないし……っ」

言いながら、どんどん血の気が引いてくるのがわかる。


「美優! とりあえず横になれ」

目を開いてるのに、明るかった筈の部屋の中が暗く感じる。

それでも、必死にもがいて凌太の手を振り払う。


「美優っ! 意地張んな!」

大きく高い耳鳴りで、凌太の怒鳴り声すら遠くに聞こえる。


「はぁっ…はぁっ……」

目一杯開いている筈なのに、私の視界は真っ暗で何も見えない。

振り払う余裕もなくなり、締め付けられるような痛みを増していく胸を押さえる。



(こんな…ひどい発作……初めてだ……)

全身が心臓になったかのように脈打つ。

でもその肝心の心臓はギリギリと痛み、上手く出来なくなった呼吸のせいで胸も痛い。


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