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身代わり妹

第4章 現実

治まるどころかどんどん酷くなる発作に、初めて”死”の恐怖を覚えた。


(怖い─────…)


ギュッ

ガタガタ震え出す身体が、強い力に抱き寄せられキツく抱き締められる。



「美優…落ち着け。大丈夫だから」

低くて落ち着く声。

「凌太…っ…はぁ…りょ……た………」


あれだけ拒んで、あれだけ振り払ったのに、私の身体は凌太の腕の中に居た。

私の身体を包み込む凌太の温かな体温。

背中をさする力強い手に、少しずつ心が落ち着いてくる。



「美優、大丈夫だから落ち着け。

息吸うばっかで吐く事忘れてんだよ。

ゆっくり、ちゃんと…吐き出せ」

凌太に言われるままに息を吐き出す。


凌太の胸に顔を埋めれば、耳に届く凌太の規則正しい心音が心地良くて、無駄に入っていた力がどんどんと抜けていく気がした。


全てを凌太に預けても大丈夫……。

そんな安心感の中で、私は意識を手放した。



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