テキストサイズ

身代わり妹

第4章 現実

「ん……」


ゆっくりと瞼を開ける。

目の前には、目を閉じて寝息を立てる凌太。

私は凌太の腕の中にいた。


(いつの間にか…寝ちゃったんだ……)


ゆっくりとまた瞼を閉じて、凌太の心音に耳を傾ける。

ドクン、ドクン、ドクン……

力強い凌太の心音に安心する。



「……もう…大丈夫か?」


優しく髪を撫でられ顔を上げれば、触れ合いそうな距離に凌太の顔がある。

先程まで閉じていたその瞳が開き、私をじっと見つめていた。



「うん……」

「良かった……」


恥ずかしくなって俯いた私の髪を優しく撫でる凌太。

心臓が、ドキドキと騒ぐ。

発作とは違う苦しさ。

甘い疼きが身体を駆け巡った。



好き……

凌太が好き……


いつになったら、

私の気持ちは凌太から離れられるのだろう……。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ