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そして僕等は絡み合う

第4章 人見 聡右の場合

カチャリ……鍵を掛けた。


良心の呵責が…。


これで中に入ったり、合鍵作ったら…マッドと大差ない…。


「あっ…不味い…。」


西垣さんの外出中に、マッドに襲われない様に側に居ようとしたのに…初っぱなからこれでは…。


慌てて走って、追っ掛ける。


「結構、離れたな…。」


自分も凄い足が速い訳じゃない。


それでも何とか追い付こうと、必死で走った。


「はぁ…はぁ…。」


普段の運動不足もあって、直ぐに息が上がる。


こんなんで、何かあった時に彼女を守れるのか?


急に言い知れぬ不安が沸き上がる。


駅に近付いた頃に、西垣さんの背中が見えて来た。


「あっ…ぜぇ…いた…。」


それでも…やれるだけの事はやるんだよっ!


自分に喝を入れて、走る速度を速めた。

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