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そして僕等は絡み合う

第4章 人見 聡右の場合

駅の切符売り場まで、来て切符を買うために財布を出す。


「あっ!」


西垣さんは、定期なんだろうICカードで改札を通して、丁度来た電車に乗り込んだ。


「待った!」


無意識に叫ぶが、電車の発車には間に合わない。


周りが不思議そうに自分を見ている間に、走り出した電車のドアの窓からは、西垣さんのご満悦な顔が見えた。


「嘘…だろ…。」


時刻表を見ると、次は10分後…。


通勤時間帯だから本数は多いとはいえ、マッドが人混みに紛れてる可能性だってあるんだ。


「チッ…早く…来い。」


取り敢えずダイヤ通り運行している電車に、舌打ちをする。


前途多難…。


西垣さんがマヨピョンじゃない確証が、無性に欲しくなる…。


でも…もしそうなったら、誰が本当のマヨピョンを守るんだ…?


理不尽な状況に、いつになく苛立っていく。

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