テキストサイズ

そして僕等は絡み合う

第4章 人見 聡右の場合

あと、
50メートル…
40メートル…
30…
20…

もう少しだっ!


「きゃぁっ!」


西垣さんが足を取られて蹴つまずいた。


「西垣さん!!」


「大丈夫っ!」


マヨピョンダンスでステップを踏んでいるせいか、バランス感覚が良いんだろう、何とか踏み留まった。


だけど…必死な自分たちに比べて追い掛けてくるマッドの声は余裕で


「あははははぁ~!うふふふふぅ~!追い付いちゃうよう~!」


もう背中まで差し迫っているのが分かる。


万事休すか!?


道路とアパートの段差を西垣さんがジャンプで飛び越えようとした時だった。


「人見さ~ん!西垣さ~ん!こんばんは~!」


こっちの緊迫感とは打って変わって、緊張感のない声に呼びかけられた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ