テキストサイズ

そして僕等は絡み合う

第4章 人見 聡右の場合

「西垣さ、大丈夫っ!?」


背の低い西垣さんの顔を覗き込む様に屈む宮脇さんの声に


「あ…宮脇さん…」


まだ呆然として答えている。


ズキン…


ボンヤリとして…
でも少し泣きそうな顔に胸の奥が痛くなった。


「今日…良かったら、ウチで寝る?」


その言葉に、自分の方がホッとする。


今日は誰かと一緒の方がいいだろう…
マヨピョンのファンでしかない自分にはこれ以上は何も出来ない。


そう思った途端…


ズキン…ズキン…


と、また胸が痛み出す。


遠くを見る様に西垣さんを見つめる自分の横で高橋さんは


「えぇっ!いいなぁ~!俺も一緒にお泊りする!」


高橋さんが突然、ふざけた事を言い出した。


「え…高橋さんも…」


動揺しながらもまんざら嫌でもなさそうな西垣さんの顔。


「痛っ…」


今度はズキズキした…
本当に病気かな?


妙な不安が押し寄せて、唇を噛む。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ