テキストサイズ

そして僕等は絡み合う

第5章 南野 昴の場合

拳を握って感動に打ち震えていると


「南野さん、電話替わりますか?」


「俺ですか?」


「はい、直接話した方が間違いも無駄もないと思いますので」


人見さんは淡々と、俺にスマホを差し出してきた。


「はい!ではお借りします!」


頭を軽く下げて、俺は人見さんの好意に甘えるとにした。


スマホを受け取って耳元に近付ける。


昨日散々飲み明かしたのに、初めての高橋さんとの電話に乙女のように胸が高鳴ってきた。


「も…もしもしっ!高橋さん、俺っす!南野です」


『はぁ~い!お疲れちゃんでぇ~す!』


スマホをから聞こえてきたハイテンションの声は、明らかに高橋さんだった。


「お忙しいところすんません!お仕事中じゃなかったですか?」


『あ~まだ打ち合わせで丁度休憩挟んだところだから大丈夫~。メール見たよ』


「有難うございます!参加どうですかね?スケジュール立て込んでますよね…?」


多分、高橋さんが一番予定を立てにくいだろうと踏んでいたら――――


ストーリーメニュー

TOPTOPへ