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そして僕等は絡み合う

第5章 南野 昴の場合

『さっすがぁ〜!南野さん、頼りになる〜!』


「あははははぁ〜!皆んなで楽しみたいですからね!任せて下さい!」


『はぁ〜い!宜しく頼みまぁす!』


そして…高橋さんとの電話は終了した。


忙しいだろうに結構な時間を割いてくれた高橋さんに、胸に熱いものが広がり出す。


「高橋さん、大丈夫そうで良かったですね」


スマホを眺めながら人見さんも喜んでくれている。


「はいっ!有難うございました!これも人見さんが直ぐに連絡してくれたお陰っす!」


「自分はメールしただけですから…あっ、高橋さんからだ」


人見さんが謙遜しているところに、高橋さんから都合の良い日が早速メールされてきた。


「早っ!」
「早い…」


これには冷静な人見さんも目を見開いて驚く。


人気モデルの高橋さんが、たかが俺ごときのためにここまでしてくれるなんて――――!!


何としても、高橋さんに応えたい!


「人見さん!俺、宮脇さんの所に行ってきます!」


「えっ!宮脇さんの職場ですか!?」


「はいっ!」


思いっきり白い歯を見せて返事をすると共に、俺はアパートの階段を駆け下りて行った。

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