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そして僕等は絡み合う

第5章 南野 昴の場合

あれ…知らないのかな?


そう思った俺は


「あっ!こんな広いお店だから、分からないっすよね!」


苦笑いでその場を去ろうとしたら、イケメン店員は元の爽やかにスマイルに戻った。


更に――――


「内のブランドにおりますよ…宮脇。ご案内致しますね」


宮脇さんと同じブランドの店員だったのか!


単純な俺は、さっきのイケメンくんの曇った顔など吹っ飛び、自分に集まってきている運気に五体が打ち震える。


「有難うございます!」


「こちらです」


イケメンくんは、微笑みながら売り場まで連れて行ってくれた。


宮脇さんが働いているブランドは、エスカレーターを上がって直ぐの場所にあり、奥の方に背の高い女性が服をたたんでいる。


近過ぎて気づかなかったか…。


それはともかく、宮脇さんに会えて一気にテンションが上がる。


宮脇の名前を呼ぼうとしたら


「詞!お客様!」


イケメンくんは、気安く宮脇さんの名前を呼んだ。

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