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そして僕等は絡み合う

第5章 南野 昴の場合

「わわっ!すんません…」


「あはは〜。今はそんなお客さんはいないんだけど…一応ね」


宮脇さんは、そう言いながら店内を見渡した。


「そうっすよね…」


仕事中に宮脇さんの時間を取らせてはいけない。
用件を端的に伝えよう。


「それで皆さんの予定を確認したくてですね。多分一番時間が取りにくいのが宮脇さんと高橋さんかと…」


途端宮脇さんの顔が変わる。


「南野さんっ!」


「え…」


「その…ここではアパートの人の話はちょっと…」


気不味そうな宮脇さんの様子に、高橋さんの言葉が脳裏に浮かぶ。


『宮脇ちゃんに予定聞く時にアパート住民だけのヒ、ミ、ツ~って言っておいた方がいいかも』


職場でアパートのことは口外しない方がいいってことかな…?


「そ、そうっすよね…仕事場でプライベートな話は良くないっすもんね」


「あぁ…そう言う訳でも…」


んん〜?
じゃぁなんだろうか?


宮脇さんは妙に落ち着かない感じで、目線を泳がせた先には――――


『シバタ』さんがいた。

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