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そして僕等は絡み合う

第5章 南野 昴の場合

うおぉぉぉぉぉ〜!


雲行きが怪しい気配に、不安が一気に湧き上がる。


もし宮脇さんが不参加だったら、もれなく東さんと高橋さんも不参加になってしまう!


ここは拝み倒してでも宮脇さんの参加を確保せなばならない!


根っからの体育会系、猪突猛進の俺は、なりふり構わず最敬礼で頭を下げた。


「宮脇さぁん!頼みますっ!今後何でも言うこと聞きますので、このバーベキューパーティーだけはどうか参加願えませんでしょうかぁ〜!」


「ちょっ!南野さんっ…いきなり何!?てか頭を上げて下さい」


いくら店の片隅でもガタイの大きい男が頭を下げている光景は、否応なしに人目に付く。


「宮脇さん!一生のお願いです!」


「わ、分かったから…早く頭を上げて下さい…」


ある意味脅しに近いが、手段を選んでいられなかった。


東さんが参加しなかったら、この企画は無意味になる。


こうなってくるとバーベキューの主役は宮脇さんみたいだが、それでも東さんとの仲が進展するなら、誰がメインになるかなんてどうでもいい。

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