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そして僕等は絡み合う

第5章 南野 昴の場合

視線が絡み合った途端、シバタさんはさっきと同様に爽やかな笑顔で微笑み返してくれたが――――


俺のこと…睨んでなかったか?


離れているようで、俺たちの位置からシバタさんのいる場所までそれほど離れていない。


所詮ビルの中の店内だ、話し声くらい簡単に届く。


俺がしつこくバーベキューに誘うから、宮脇さんに恋心があると思われたのかもしれない!


これは宮脇さんの名誉とバーベキューの休みを取りやすくするためにも、誤解を解かねばならないだろう。


「違…違いますよ〜」


俺は口パクや手をバッテンにしたりとジェスチャーで、シバタさんにアピールをすると


「ぷっ…」


シバタさんは俺の奇妙な動きに、口元を押さえて笑った。


おぉぉぉぉ〜!
シバタさんが、笑ったぞぉぉぉ〜!


誤解が解けたか分からなかったが、イケメンを笑わせることが出来たことに、凄く満足感が湧き上がった。

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