テキストサイズ

愛 人 契 約

第3章 近づいていく距離

「わたしもキャバやろっかな~」



夕貴は専門学校を卒業して美容師になった。

といっても、一人前になるにはまだまだらしく、営業時間はサポートと雑用ばかり、営業後は練習で帰りはいつも深夜だとよく愚痴をこぼしている。



「シャンプーばっかりやるから手荒れ放題だしさ~。給料は安いし、やってらんないよぉ」



それでも夕貴は辞めない。

今の仕事が好きで、目標があって、それに向かって真剣にがんばってるから。



「…わたしは夕貴がうらやましいけどな」

「え~?!どこが!大変なだけだよ!私も未央みたいに好きなだけ買い物したいよ~」



夕貴はそう言って笑った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ