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愛 人 契 約

第3章 近づいていく距離

黒崎さんが連れて行ってくれたのは、全席個室の居酒屋だった。

居酒屋といっても普段わたしが行くような居酒屋じゃなくて、落ち着いた雰囲気の小料理屋というか高級料亭に近い雰囲気だ。

初めての雰囲気にわたしは緊張してしまっていた。



「こんなお店でよかったかな?」

「も、もちろんです!こんな高そうなお店…来たことないから緊張しちゃいます…」

「ははっ!ただの居酒屋だよ。個室だし、緊張しないでくつろいで。

料理、適当に頼んじゃっていい?何か苦手なものとかあったら言って」



黒崎さんは店員にオーダーをする。



全ての行動がスマートな黒崎さん。

これまで出会ったことのない大人の男の人ってかんじ…

そんなことを考えながら、黒崎さんを見つめていた。





「今日は付き合ってくれてありがとう」

「こちらこそ誘っていただいてありがとうございます」



グラスビールで乾杯をした。

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