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愛 人 契 約

第6章 秘密の契約

「今日も帰したくない」



耳元で囁かれる。



明日は昼からファミレスのバイトがあるから帰らなきゃ。

だけど、帰りたくない気持ちがジャマしてはっきり断れない。



「黒崎さん…あの…」

「だめ。帰さない。
高遠、ここから一番近いホテルに」

「はい」



運転手は機械的な返事をした。



「あの、わたし、やっぱり…」



バイトのこともそうだけど、萌ちゃんや女の子たちの顔が頭をよぎった。



「やっぱりお客さんとはもう…働かせてもらっている以上、ルールは守らなきゃだし…」



「じゃ俺が客じゃなくなればいい」



…………え?

黒崎さんの言葉の意味が分からない。

どういうこと…?

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