僕の初恋。
第7章 僕なんて…
唯月Side
「………ぁ」
今…悠人…
微かに…笑った?
「…楽しい夢でも…見てんのか?」
まぁ…怖い夢よりは…良いよな。
「面会終了時間ですよ」
「あっ…はい。…悠人をお願いします。失礼しました」
「お気を付けて」
ガラガラ…
パタン
「……ふぅ…」
さて、帰って仕事か。
悠達…無事帰れたかな…。
ウィー…ン
「っ…寒……」
冷たい風が俺の頬を打ち、鋭く痛む。
「本当にここ、都内かぁ?」
そう駄弁りながら、車に乗った。
車内に微かに残る悠人の匂い。
目を閉じると、そこには落ちる前の悠人が。
手を伸ばしても届かない。
悲しげな…そして、どこか決意を固めた目で俺を見て…。
自嘲気味に笑った。
…『僕なんて』…か……。
ブルル…ン……
車のエンジンをかけ、悠人が落ちた
マンションに向かう。