「最高のエロを目指して」 BL短編集
第5章 好奇心の腐男子「明石 辰也」
処女はもうとっくに喪失している、と思っていた僕は、かなりひどいことをしてしまったみたいだ。
「ごめんっ、ほんっとにごめん!」
僕は、平身低頭して謝った。
「いーのいーの。 ちょっとハードだったけどね」
翔は、苦笑しながらも笑っていた。
「でも。 痛かっただろ?」
「痛かったけど……僕、Mらしくて…なんか、気持ちよかったよ」
翔が微笑む。
ネットで遊び半分で彼と出会ったはずが、なんだか。
とっても、愛しい。
翔が愛おしい。
「……翔、好きだ」
僕は、いきなりそういった。
口から勝手にそんな言葉が飛び出してきたのだ。
「ふぇ……?」
翔が変な声を出す。
まぁ、当たり前よだよな。
「本当に、僕でいいの?」
え?
「いや、僕は翔が好きなんだけど……」
僕は、翔を真剣にみつめた。
翔は、自信なさげに僕をみていた。
「ネットにあんな写真出してるんだよ?」
「お前が好きなんだよ。 だから、お前がどんなことになろうが、俺はお前と付き合いたい」
翔の言葉を遮るようにそういった。
翔は、僕に近づいた。
そして、僕に囁いた。
「僕をMにしたのは明石にぃだよ? だから、その責任は明石にぃがとってよ」
僕はみた翔は、にっこりと笑っていた。
完