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「最高のエロを目指して」 BL短編集

第10章 先生と生徒 (下克上/焦らし)

 そして、生徒会室のドアに手をかけた時だった。


「あ、んっ……ふぁっ、あぁ…っ、だめぇっ」

 なぜか、誰かの喘ぎ声が部屋から聞こえてきた。それも、男の喘ぎ声だった。
 ふつうなら、男が、女の前でこんな声を出すことはないだろう。それに、ここは男子校だから女はいないはずだ。

 一瞬、頭の中を嫌な予感が横切った。

 しかし、あの優秀な如月が、犯されているなんて、そんなことになることはあるまい。きっと、生徒会の誰かがゲイで、この生徒会室でヤっているだけなのだろう。

 櫻庭には、そんなことに対する偏見は特になかったから、別に気持ち悪いとも思わなかった。
 
 しかし、喘いでいる声から、それが誰かなど予測することは不可能だったから、とりあえずいきなり入るのだけは躊躇した。

 コンコン、とドアをノックする。もし誰かがお楽しみ中なら申し訳ない。

「ん、やっぱだめだってぇ、きょ、うちゃんっ! 誰か、……きたよぉっ!!」

 中から誰かが喋る声。


 きょうちゃん。如月 京太。

 もしかして、如月がヤってる……のか?
 嫌な予感が、確信へと変わっていく。


「あ、センセ? どうぞ、入ってください」

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