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「最高のエロを目指して」 BL短編集

第10章 先生と生徒 (下克上/焦らし)

 しかし、櫻庭の目の中にそんなモノは入ってこなかった。ただただ、彼の目には如月と佐藤の姿が映っていた。

 佐藤の体はとても綺麗だった。ピンク色の乳首は、男のモノとは思えない。それに、肌が白いために、乳首やペニスが、魅惑なほどに綺麗に見える。佐藤のペニスは、その中性的な顔からは想像ができないほどに男らしかった。
 しかし、やはりそんな彼の中に如月が入っているのは異様だった。
 
 たしかに、如月はガタイの良い体つきをしている。かと言って、太いわけでもない。俗にいう、細マッチョという部類の奴だった。
 如月は、佐藤とは違って全裸ではなかった。上着はきちっときこなしたままで、ズボンだけが無造作に投げ捨てられている。上は、ボタン一つ外されていない。

 如月は、しばらくしてから佐藤からペニスを抜いた。どちらもまだイけていなかったのか、佐藤にも如月にも精液は付いていなかった。

 櫻庭は、反射的に如月のペニスを見た。それは、とても大きく、屈強なイメージのモノだった。
 これがさっきまで佐藤の中に――。なんだか、考え難いことだった。

 櫻庭は、声が出なかった。あまりに驚き過ぎて、何といえばいいのかわからなかったのだ。

 しばらく、佐藤の乱れた息の音だけが部屋に響いていた。



 

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