イケない同棲生活
第2章 2―契約成立
彩織の言葉に甘えさせてもらって、ディスプレイを見た私の顔は。
きっと面白いほど青ざめていただろう。
けれど、意を決して通話ボタンを押し、耳にあてると。
『楓ー!!お前、西園寺さんになにしとんじゃあああ!!』
「うわっ?!」
耳を劈くほどの父の声が。
私は慌てて携帯を耳から離した。
ああ、こうなると面倒なんだよな、ウチの親……。
「なにしとんじゃって、向こうがいきなり襲ってきたからでしょ?!自業自得よ!!」
『そんなの、好きな人だったら仕方ないだろう!夫婦になるんだぞ?!』
「向こうはそうでも私はそうじゃない!はじめてがあの男とか、ほんっとムリだから!!!!」
『……ハジメテ??』
と、唐突に静かになった父の声色に、しまったと思う。
なんて馬鹿なことを暴露してんだ私。