イケない同棲生活
第2章 2―契約成立
ちら、と彩織を横目で見れば、彼女もまた、口をあんぐりと開けていた。
『お前…直弥君と3年も続いててまだだったのか…?』
「…そ、そうよ…。でも、向こうが私がいいって言うまで待ってくれるって…、」
『……そうか・・・。それじゃあ、いきなり、というのもあれか』
え、じゃあもしかして結婚の話はなくなるの?
という期待した心持で顔を輝かせるも。
『実はな、いいひとを見つけたんだ。楓、』
父の弾んだ声に、嫌な予感がしてみるみると顔が曇っていくのがわかった。
『結婚するまで、お父さんが見つけてきた男性と暫く同棲しなさい』