
イケない同棲生活
第3章 3――新居にて
やっと離れた互いの唇は、いやらしく光っていて。
男はそれに拍車をかけるように、ペロリと舌なめずりをした。
「…っ」
なんか、えろいし!!
ふいっと思わず視線を逸らすけれど、ヤツがそれを許すわけが無い。
長い指で私の顎を掬って、無理矢理正面に向けさせられた。
「こんなんで恥ずかしがんなよ、お子ちゃま」
「んな!お、お子ちゃまで悪かったわね!!」
一言多いんだよ、こいつぅう!!
ギロリと睨むも、効果は全くなくて。くすくすと笑われて終わり。
「だから、別にいいだろーが。お子ちゃまで」
「それを馬鹿にしてんのは何処の誰よ」
紛れも無く目の前に居る、この変態やろーだ。
こんなヤツ、散歩中にどぶにはまって笑われ者になればいいんだ!!
「馬鹿にしてんじゃねぇよ」
けれど、男はむくれる私の顔にぐっと顔を近づけ、顎に添えられた親指で私の唇をゆっくりなぞり。
チロリと舌を覗かせた。
それだけでゾクリとする私は、もう。自分自身を見失っているのかもしれない。
「しごきがいがあって、興奮してんだよ」
「ひゃっ?!」
