イケない同棲生活
第3章 3――新居にて
「だったら手ぇまわせよ」
プチンッと、片手で器用にブラのホックをのけられて。
ふっと、胸を締め付けていた息苦しさがなくなった。
その息苦しさと共に羞恥も捨てられたような気がして、恐る恐る彼の背に手を回すと、距離がゼロになって…。
とくんとくんと穏やかにリズムを刻む彼の鼓動が、素肌で直接感じられてひどく心地いい。
「やればできんじゃねぇか」
「馬鹿にしないで。このくらいできるし!」
「へぇ。なら、レベルをあげたっていいか」
…レベル?あのRPGでよくでてくるレベルのこと?
私それなら得意よ。弟と一緒に最高レベルまであげてたし。
ラスボスだって難なく倒せるわ。
「ひゃぁっ?!」
「――…いい声で鳴けるじゃねぇか」
が、やっぱりというか、当たり前というか。
この男がいうレベルというのはエロを含まれたものであって…。
ふっと鼻で笑われたかと思うと、唐突に彼の骨ばった手が…!!