イケない同棲生活
第3章 3――新居にて
「――楓。キモチイイって言えよ」
「ゃ…あっ」
つめ先で、濡れた突起を軽くなぞられて。
未だ感じた事のない快感が、電流のように体中を走った。
その間にも、つぅーっと誰も知らない穴の周りを指で這わせる男。
なんで名前知ってるんだ。とか。
耳元で囁くな。とか。
言いたいことはたくさんあるのに。
真っ先に出そうになった言葉に、自分自身が信じられない。
――…”キモチイイ”。
「言わねぇなら、俺はこれ以上するつもりはねぇけど」
「…っい…じわるいっアンタっ」
「あぁ、楽しいな。お前が必死で快感に耐えてる顔、嫌いじゃないぜ」
下は、ぴんっと既に開きかけの蕾のように膨らんだクリトリスを指で弾かれ、上は熱い舌で耳を舐められ。
小さくも、私を感じさせるソレらの行為に。
きっと、私はおかしくなったのだろう。
「……いぃ」
「…聞こえねぇ」
「っ。き、もちいい…っ」
とにかく、このむず痒さをなくしたくて。
いじらしさをなくしたくて。
思い切ってそう言った瞬間。
「んんんっんぁっ」
かぶりつくような激しいキスがふってきた。