
イケない同棲生活
第1章 1―しぐれ料亭にて
料亭の狭い一室。
暗いそこはご丁寧に鍵までついており、またまたご丁寧に男はガチャリと鍵を閉めてくれた。
逃げ場なし、とはこのことか…。
「僕、貴方の写真を見て一目見て好きになったんです。すごく綺麗で・・・。ずっと触れてみたいって思ってた」
とんっ
壁に追い込まれ、本格的に冷や汗が出る。
「あの、でもほら、父たちも待ってますし、急がなくても……」
だからどけ!!!
とは言えず、あくまでおしとやかにそう言う。
だけど、
「僕の母にもそこらへんの理解はあるさ。きっと今、皆帰ってるよ」
「え?!」
すぐさまどん底に落とされる事に。
嘘でしょ…。何帰ってんのお父さんお母さん…!!!
