イケない同棲生活
第5章 罠
上半身だけ脱がされた真弘の胸板に頭をそっと押し付けられ、
引き締まったそこに、ぬるい水が一筋、また一筋と伝ってゆく。
「一つ目の褒美、な」
そして、焦らすように動かされていた指は、なんの苦もなく私のナカに入ってきた。
――ジュクッ…
「んァッ…」
すると、何も纏わない自分の体が反射的に丸まり、彼の胸の中で篭った喘ぎ声をだす。
そして、真弘は初日で知り尽くしたのであろう私の弱い部分を、指でチュクチュクと音をたてながら擦り始めた。
「ふ…ぁあッンァッ」
「もう一つ、」
徐々に速く律動し始めた指。
その合間を縫うように、真弘は言葉を零してゆく。
「なんで俺を頼らねぇ」
「あッ…ッやっい、く…ッダメッ」
でも、そうやって問うたくせに、答えを言わせるつもりなどないように、指の動きはより淫らになって。
チュクッジュクッジュクッ
「ま、ひ…ぅあッンァアアっは…ッああんッ」
ナカにある壁を執拗に擦ってくるため、私は喘ぎを吐くためにしか口が開かなかった。
「早く言わねぇと、一日中ベッドにはりつけるぞ?」
―――なるほど、これが狙いか。
堪えきれない喘ぎを僅かに零しながら、涙目でヤツを睨むと、
「誘ってんじゃねえよ」
とか意味不明なことを言いながら、そっと目を伏せて頭を私の胸に落とした。