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イケない同棲生活

第1章 1―しぐれ料亭にて




「人がここで休んでたってのに、邪魔すんな」




どうやら着流しの男はお怒りのようで、その怒りの矛先は私に向けられた。



くるりとこちらを振り向いた男。




「お前、無用心なんだよ」



「、」




その男の顔は、驚くほど整っていた。




長めの前髪から覗く鋭い切れ長の瞳。鼻筋の通った高い鼻。薄い唇。




どこを見ても彼の顔に言う事などなくて。





涼しげな瞳に射抜かれた私は、石のように固まってしまっていた。





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