イケない同棲生活
第6章 犯人追跡?
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「なんで会社来るのよ!」
「暫く俺もそこで働くから」
「だからなんで!」
「・・・」
”お前の会社に行く”そう真弘が口にした後、言い合いを数分続けていた私たち。
だって、そりゃそうだろう。
いきなりすぎだし、仕事をしているところを見られたくないし。
とにかく、こんなヤツがうちの会社に来たらどうなるかなんて目に見えてる。
私は、真上にある綺麗な顔を睨みながら、唇を結ぶヤツに、
「なんで」
もう一度、そう問うた。
「――俺の問題なんだけど」
そして、やっと開いたと思ったらそんな俺様な言葉で。
こいつぅうぅぅ!!と、一喝してやろうと思ったのに。
「お前を守るのは、俺の勝手だろ」
上からその涼しげな瞳で射抜きながら、薄い唇から零れた言葉に、真弘の胸ぐらを掴んでいた私は、思わず離していた。
「は」
「犯人を見つけるまで、お前安心できねぇだろ。そんな負のオーラを毎回持ってこられても、こっちは迷惑だ」
行き場の無い手を、空中で彷徨わせる。
すると、そんな私の手を真弘はぎゅっと少し雑に掴むと。
「手伸ばせよ。怖いなら怖いって。傍に居てやるから」
固まる私を引きずるようにしながら、手を繋いだまま歩き出したのだった。