イケない同棲生活
第6章 犯人追跡?
「うーん」
「わかんねえのかよ」
少し微笑を含ませた声を振動と共に受け入れながら、もう一度目を瞑る。
すると、真弘の一定のリズムとは違った、軽快なリズムを刻むものが感じられた。
トクトクと速めのスピードで、彼の心臓の音と共鳴しあう。
ああ、これ。
「真弘」
トクトクトクッ
この、意味。
「わかったよ」
「なんだよ」
顔をそっと胸板からあげると、交わる視線。
彼の瞳が”早く言え”と言っている。
――ああ、どうして私は気付かなかったんだろう。
例え気付いていたとしても、どうしても認めたくなかっただろうけれど。
「私、
真弘が好きだ」
気付けばこんなにも、彼を好きになっていたんだ。