発言にはご注意を
第1章 発言にはご注意を
「…なんやねん!さっさととれや!!」
「ちゃうねんって!動かれへんねん!!」
怒鳴るようにいったあと、はっとして口をふさいだまるに俺は理解できなかった。
「まるー?大丈夫か?」
足音とともにすばるの声が響く。
俺は慌てて扉の鍵を指差した。
「し、渋やん!覗いたらあかんよ!」
「…まるが大丈夫なんやったら覗かんけど…倒れたりしてへんか?」
「大丈夫やから!いざとなったら裕ちんに助けてもらうから。」
「お、俺に任せとけ。なんかあったらすぐ呼ぶから。」
「……呼んでや、ちゃんと。絶対やで?」
「わかった!わかったから!絶対に呼ぶから!」
しばらくの沈黙のあと、足音が遠退いていくのがわかった。
ひとまず胸を撫で下ろした。
鍵が開いていることでどれだけ心臓に悪いか…。
足を引きずってなんとか鍵を閉めた丸山はドアを背もたれにして座った。
「動かれへんってどうゆうことやねん?」
「…力が…入らへん。」
真っ赤な顔で肩で息をする丸山を俺はどんな顔で見ればいいかわからなかった。
「裕ちん…僕、熱でやられてもうたみたいっ…」
「は?何をゆうてるん?」
しばらく丸山の顔を見ていたがまさかと思い湯船のなかに目を移す。
先程より確実に大きくなっている。
「…まさかとは…思うけど…。」
「ごめん…抜いて…。」
カーテンに隠れたまま聞こえきた返事に頭を抱えた。
万が一、他のやつにばれたら笑い事じゃすまない。
外の騒がしい笑い声が凶器に変わり俺の心をグサグサと刺していく。
「…裕ちん。お願いっ…。」
今にも泣きそうな震えたら声が俺を混乱へと突き落とす。
「でも、それは…ヤバイって…。」
「そうしてくれな…戻らへん!」
「はぁ?」
カーテン越しでも分かる興奮した声が説明したのは中身がなくならないとちゃんとくっつかないのが今までの経験からわかったことだと言うことだった。