悪魔と淫美な世界へ
第7章 ~争いの先~
儀式当日。
城の広い庭で開かれた会場では、黒いローブを着た大勢の住人達が集まっていた。
「次の王は一体誰なんだ っ?」
「そういえば、魁様と黒 胡様が王座を賭けて戦 ったいたが…」
「まさか黒胡様が勝たれ てっ」
騒々しくなった会場…
そこに、羽を生やし黒いスーツに身を包んだ琉希と魁、黒胡が現れた。
会場は一気に静まり返り、住人達は3人に注目した。
「早速、儀式を始めます 新たな王、ゆき様です っ!」
その琉希の言葉を合図に、3人の後ろから緊張した様子のゆきが現れた。
ゆきは身体のラインが出た黒いシースルーのドレスに、普段履かない様な黒いハイヒールを履いていた。
「人間っっ!?!?」
「何かの間違いじゃっ! !」
「なんで人間なんかっ! 」
なんか、皆怒ってる… ?
うー…ちょっと怖いか も……
騒ぎ出す住人達に、魁は徐にゆきの隣に移動した。
「王の座を、このゆきに 譲るっ」
皆にその一言だけ言うと、魁はゆきの手を取り口付けした。
そして黒胡もゆきの前に来ると、いきなりその場に跪いた。
「えっ…黒胡さんっ!? 」
「王、俺の力はあなたの 物だ」
妖しく見つめながらそう言うと、もう片方の空いている手を取り口付けした。
えーーっ!
いやっ、こんなの練習 にはなかったよっ!?
「なんとっ、魁様と黒胡 様がっ!!」
「魁様と黒胡様を服従さ せるなんてっ」
「あの人間、どんな凄い 力があるんだっ!?」
ますます騒ぎ出す住人達に、琉希は冷静な面持ちで口を開いた―――