悪魔と淫美な世界へ
第7章 ~争いの先~
「魁様と黒胡様は、ゆき 様を王として認めてい ますっ!
…この意味、分かりま すね?」
「…魁様と黒胡様が認め た相手なら…」
「あ、ああ…」
「では、ゆき様皆に一言 」
「あ、はいっ…」
ゆきの緊張はピークまで高まり、ヒールのせいかおぼつかない足取りで少し前に出た。
「えっと…この度王にな りました、ゆきですっ よ、宜しくお願いしま すっ!」
「では、新たな王に!」
「王に!!」
その琉希の言葉を合図に、住人達は声を揃えワインが入ったグラスをゆきに向けた。
ひとまず…無事に終わ ったのかな…?
何事もなくて良かった ぁ…
「魁…儀式はこれで終わ り…?」
「ああ
後は各自、自由行動だ 」
「自由行動?」
ゆきは、疑問に思いながらふと視線を前に戻すと…
会場に集まっていた住人達は、それぞれの相手と行為を始めていた。
えっ!?
これってもしかして…
「前に開いたパーティー 同様、決まって最後は 皆欲を吐き出す」
「そ、そうなんだっ…
あの…私は…戻っても いいんだよね…?」
恐る恐る訪ねるゆきに、魁は妖し過ぎる笑みを浮かべた。
「お前の為に開いた儀式 だ
新たな王、ゆき…是非 俺と相手を…」
魁は鋭い目で見つめながら、紳士的な振る舞いでゆきに手を差し出した。
「えっ…!?魁っ…!? 」
これって…まさか…
「魁、抜け駆けかい?
俺にもその権利はある よね?ゆき…」
横入りする様に、黒胡は悪戯な笑みを浮かべながらゆきを見つめた。
こ、黒胡さんまでっ! ?
この状況…どっちか選 べって事っ…!?
もちろん魁に決まって るけど…
でも、ここでなんてっ …恥ずかしすぎるっ!
顔を真っ赤にさせて固まっているゆきの前に、琉希は魁と黒胡を無視する様に割って入った。