悪魔と淫美な世界へ
第8章 ~誓い~
着替えを済ませたゆきは、書斎でソファーに座りながら琉希と話しをしていた。
その様子を、魁は壁に寄りかかりながらジッと見つめている。
「最近、ゆき様の命を狙 う輩がいるようです」
「えっ…?」
「王の座を狙っての事で しょう
早々に対処した方がい いと思うのですが」
「対処って…」
「始末するという事です 」
それって…殺すってこ と…?
「でも…まだ襲われたわ けでもないし…」
煮え切らないゆきの態度に、琉希は目を鋭くさせながら中指で眼鏡を直した。
「そんな甘い考えは、こ の魔界では通用しませ んよ
殺されたくないのなら 早めの決断を勧めます 」
「は、はい…」
王って…命を奪うよう な事もしないといけな いんだ……
「俺が始末してくる」
「えっ…魁っ…?」
止める間もなく、魁はさっさと部屋を出て行ってしまった。
「ゆき様…
ゆき様は魔界の王にな られたのです
その座を狙っている者 に、いつ命を奪われる かわかりません
くれぐれも、判断を間 違えないようにして下 さい」
「は…はい…」
ためらってたら命はな いって事…だよね…
うつむいてしまったゆきを見て、琉希は眼鏡を直しながらまた口を開いた。
「ゆき様、魔界は弱肉強 食です
王になる者に必要なの は、絶対的な力と的確 な判断…それと皆をま とめる能力です
力に関しては魁様、黒 胡様、私がカバーして いきます
後はゆき様、あなたの 役目です」
「はい…」