悪魔と淫美な世界へ
第8章 ~誓い~
話しが終わり、ゆきは落ち込んだ様子でフラフラ廊下を歩いていた。
はぁー…
やっぱり私には、王な んて無理…
私、ただの人間だし… 決断力もないし…
「元気ないね」
突然聞こえてきた聞き慣れた声に、ゆきは反射的に振り向いた。
「黒胡さん…」
「魁は一緒じゃないんだ ?」
「はい、ちょっと出掛け てて…」
「ふ~ん…」
何か考えているようにゆきを見つめる黒胡…
「?あの…」
「相談に乗ろうか?」
「えっ?」
意外な言葉に、ゆきは驚きを隠せず固まってしまった。
「フッ…そんなに意外だ った?
いいか?
お前は俺と魁、琉希に 認められて王になった んだ
そして、王の言葉には 絶対的な権力がある
だから、お前の頼みな ら何でも聞いてやる… わかったか?」
「あ…はい…」
それって、遠慮なく何 でも相談しろって事か な…
なんか…黒胡さんらし い言い方かもっ
少し明るくなったゆきを見て、黒胡は微かに口元を緩ませた。
「俺の部屋で話しを聞い てもいいけど…
どうする?」
「え…黒胡さんの…?」
不意に犯された光景が蘇り、ゆきは一瞬警戒した。
「嫌なら書斎でもいいけ ど
フッ…
前みたいに無理矢理犯 すなんて事はしないか ら安心していいよ」
「えっあ、いえっ…」
せっかく黒胡さんが相 談に乗ってくれるのに 、私がこんな警戒して たら駄目…だよねっ…
「へ、部屋でも大丈夫で すっ」
「そう…わかった」
微かに妖しげな眼差しを向ける黒胡…
その黒胡の案内で、ゆきは背中を追うようについて行った。