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悪魔と淫美な世界へ

第8章 ~誓い~

 
 
 
黒胡の、物が無いベッドだけの広い一室。
 
ゆきはその広々としたベッドにちょこんと座っていて、黒胡は腕を組んで壁に寄りかかっていた。 
 
 
「ふ~ん…で、琉希にね ぇ~」
 
「私には判断力もないし …勇気もないです…」 
「それはどうかな」
 
「え?」
 
 
 
黒胡はゆったりとした足取りでゆきに近付き、おもむろにその隣に座った。
 
 
 
「俺が何故、お前を認め たと思う?」
 
「えっ…それは…」
 
「力の無い人間のクセに 、身を呈して俺と魁の 戦いを止めた…
 
 その良くわからない行 動と考えが面白いから 」
 
「はあ…」
 
 これって誉められてる のかな…?
 
 
「だから決断力と勇気は あると思うよ
 
 お前に足りないのは… 自信だ」
 
「自信…?」
 
 
 
黒胡の眼差しが妖しくなり、徐々にその綺麗過ぎる顔を近付けた。
 
 
 
「そう…何を言われても 揺るがない自信…」
 
 
 確かに…魁も黒胡さん も琉希さんも…
 
 というか、今まで出会 った悪魔はみんな自信 に満ちていて…
 それに見合った美貌も ある…
 
 それに比べて私は…… 
 
 
「私なんか?」
 
「えっ!?」
 
 読まれたっ…
 
 
「フッ…
 俺が自信をつけてあげ ようか?」
 
「えっ?」
 
「目を瞑って…」
 
 
 
耳元で囁く様に言われ、ゆきは思わずその言葉に従った。
 
 
直ぐ近くに黒胡の気配と吐息を感じ、ゆきは妙に胸を高鳴らせた。
 
 
 
「フッ…」
 
 
 
 なんか変にドキドキし てきたっ…
 
 
「お前は、俺達の様に美 しくはない」
 
 
 っ!?
 
 
「だが…美しさとは違う 可愛さがある…」
 
 
 
直ぐ耳元で囁かれる意外過ぎる言葉に、一瞬胸がドクンッと波打った。
 
 
 
「あの…黒胡さんっ?」 
「目を開けたら駄目だよ …」
 
 
 
無意識に目を開けようとしたゆきだったが、黒胡に手で目隠しをされ視界を遮られてしまった。
 
 
 
 
 

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