悪魔と淫美な世界へ
第8章 ~誓い~
「お前は…俺達を惹きつ ける何かを持っている 」
「…それは…」
「お前には魅力がある…
こんな想いを抱かせた 女は…ゆき…お前が初 めてだ…」
告白にも似た甘い言葉に、ゆきの胸は高鳴り顔を赤くさせた。
どうしたんだろう…
今日の黒胡さん、なん か変な気が……
それとも…私を元気づ けるために言ってくれ てるのかな…?
「黒胡さん、ありがとう ございます
少し元気になったから ―――」
「お前が好きだ」
っ!?
「あの…私に気を使って るなら…」
目隠ししている手を避けようとした時、いきなり唇が重ねられた。
「んっ…やっ…」
黒胡は強引に舌を絡ませ、抵抗するゆきをベッドに押し倒し両手を押さえつけた。
「やっ…なんでっ…」
「今言った事は本気だ… 」
目隠しが外されたゆきは目を開けると、切ない表情で見つめる黒胡がいた。
「…黒胡…さん?」
「単なる暇つぶしなんて 嘘だ…
お前のそばに居たくて 、触れたくて仕方ない …」
「わ、私にはっ」
「フッ…わかってる…
だから…二番目でいい
お前に触れられるなら それで十分だ…」
切なく苦しそうな黒胡に、ゆきの胸はズキッと痛んだ。
こんなに真剣な黒胡さ ん…初めて見た…
でも…黒胡さんの気持 ちには応えられない…
「たまに相手をしてくれ ればいい
俺の願い…聞いて欲し い…」
「そ、そんな…遊びでな んてできない
黒胡さんなら、私なん かよりもっと良い人に ―――」
そう言いかけた時、黒胡は塞ぐ様にまた唇を重ねた―――
「ゆきっ!!」
扉がバンッ!と開き、物凄い鋭い目つきをした魁が飛び込んで来た。
「か、魁っ!」
「もう戻って来たのか」
その光景を見た魁は、殺気立ちますます目つきを鋭くさせた。