悪魔と淫美な世界へ
第8章 ~誓い~
「ゆき、こっちに来いっ 」
「あ…でも…」
手を差し出す魁に、ゆきは迷い黒胡に視線を向けた。
このまま魁のところに 行ったら駄目な気がす る…
これ以上、2人の仲が 悪くなるのは嫌…
「お前が心配するような 事態にはならない
魁の所に行きたいなら 遠慮なく行け」
「黒胡さん…」
どこか寂しそうな黒胡に、ゆきは胸の奥がチクッと痛むのを感じた。
「黒胡さん、今日は元気 づけてくれてありがと うございましたっ」
「俺で良かったらまた相 談にのるよ」
「はいっ、じゃあ…」
ゆきは笑顔でそう言うと、怖い顔をした魁の方へ足を進めた。
魁の目…凄く怖いっ
…絶対怒ってるっ…
「あの…魁…」
「寝室に行くぞ」
「う…はい…」
どうしようっ
かなり怒ってるっ…
「フッ…
魁、嫉妬も程々にしな いと嫌われてしまうよ 」
いつもの悪戯じみた黒胡に、魁は鋭い目つきで睨みつけた。
そしてゆきを連れ、無言で部屋を後にして行った。
フッ…余裕がないね…
まあ、俺もひとの事は 言えないけど…
黒胡はベッドで足組しながら、2人が出て行った扉を見つめた。