悪魔と淫美な世界へ
第8章 ~誓い~
寝室に入るなり、魁はゆきの顎を掴み強引に唇を重ねた。
「んんっ…んっ…」
やだっ…怖いっ…
明らかに怒っている魁に、ゆきは微かな恐怖を感じ抵抗した。
「魁っ…やっ…」
「抵抗するなっ」
「やだっ…やめてっ…」
魁は強引にゆきを壁に押し付け、着ていたワンピースを胸元から引き裂いた。
「きゃっ…魁っ…やめて っ」
「俺には抵抗して、あい つにはされるままか? 」
「ち、違っ…」
こんなに怒った魁、初 めて…
「俺より、あいつの事が 好きになったのか?」
「こ、黒胡さんの事は何 とも思ってないよっ
ちょっと相談にのって もらっただけでっ…」
「…相談か…」
納得してない様子の魁は、それ以上何も言わず露わになった胸元に唇を寄せた。
「あっ…やっ…」
「優しくしてやるから抵 抗するな…」
「わ、私っ…今はしたく ない…かも…」
怒りながらなんてした くない…
「…そうか…」
嫉妬と怒りが混じり合った冷たい目で見つめられ、ゆきは恐怖心から一瞬身震いした。
魁はいきなり片足を持ち上げ、ワンピースの中に手を滑り込ませた。
「っ…いっ…痛い……や っ!」
鈍い痛みに顔を歪めながら、思わず力いっぱい魁 を突き飛ばしてしまった。
そして、引き裂かれた胸元を抑えながら部屋を飛び出して行った。
どうしようっ
魁を突き飛ばしちゃう なんてっ…
…もう魁のいる部屋に は戻れない…かも…
「ゆき様っ?」
曲がり角で琉希と鉢合わせしたゆきは、今にも泣きそうな表情を浮かべた。
「琉希さんっ…」
「その姿…とりあえず空 いている部屋に行きま しょう」
「は…はい…」
琉希に案内され、ゆきは少し安心した様に着いて行った。